長い沈黙のあと、
アイツはひとことそう言った。



「条件、覚えてるよな?」



いつもよりもさらに温度の低い


冷ややかなその目にハッとする。





そうだ……



アイツにとってのあたしは

ただの“契約相手”で


それ以上でも以下でもない

なんでもないただのコウハイ。




しーちゃんの慰めを信じこんで

勝手に期待して

自惚れて

ばかだ、あたし………






好きって言えば告白すれば

少女漫画のヒロインみたいに両想いになれて付き合えて幸せになれる






なんて、そんなわけないんだ。

だってあたしはヒロインでもなんでもなくて

ただの“脇役”なんだから…。