放課後。雅紀と歩いて帰る。

雅紀「ねぇ、なんで別れたの?」

『んー。元々好きじゃなかったし。限界が来たのかな』

雅紀「奈々美って黒猫だよね」

『は?』

雅紀「人を寄せ付けない感じ。クールだけど甘えん坊。でも近づきすぎると引っかかれる、みたいな」

『寄せ付けないんじゃなくて人見知りなんだけどね。まぁ、猫ってたとえは嬉しいかも』

話しながら角を曲がると公園が見える。

雅紀「公園の中通っていこうよ」

雅紀に手を取られたが、無意識に振り払ってしまった。

『あ、ごめ、』

雅紀「こっちこそ無断で手繋ごうとしてごめん。手、震えてるけど大丈夫?」

申し訳なさそうに言う雅紀の言葉で手が震えてることに気がついた。

『大丈夫、ごめんね』
少し雅紀と距離をあけて歩を進める。