渡り廊下から覗く秋の空は澄んでいて
どこか寂しさの感じられる風が吹いていた。

そんな空を横目に、自販機でいつもと同じくミルクティーを買う。

教室に戻って携帯を開くと彼氏からメールが届いていた。
『会いたい。放課後街まで来れる?』

付き合ってもうすぐ1年。
人生初の彼氏だった。
二歳上の彼はまだ高校生だというのに結婚したいと言っている。
束縛が少しきつい上にたまに暴力的になるため別れるタイミングを伺っていた。
結婚したい、なんて高校1年の私には重い。

ミルクティーにストローをさして口に咥えながら再度メール画面を開く。

「街には行くけど塾があるから会えないかな。ごめんね。」