廊下には既にたくさんの生徒たちが集まっていた。
あたしたちも張り出された紙に釘づけになる。



「…美稀、クラスどこ!?」

「あたしはー…」



あたしは必死で自分の名前を探す。
…あっ、あった!
1年2組だ!



「1年2組だよ」

「マジで!?一緒だよ〜!」

「ほんと!?嬉しい!!」



あたしたちは嬉しくて、お互いの手を握り合った。
…他の2人はどうなんだろ?



「紘と颯人は?」

「俺は2組だよ」


颯人は眼鏡をクイッと上げながら言った。


「…マジかよ、俺も」


紘は驚いたように言った。
…すごい!4人とも一緒のクラスなんて夢みたい!!



「嬉しい!みんな一緒だよ!」

「ほら、言ったじゃん。紘、奢りだから」

「は!?賭けに乗った覚えはねぇよ!」

「はぁ!?ケチくさ!いいでしょ、今日ぐらい!!」

「ふざけんなよ!俺は絶対奢んねぇからな!!」



再び始まった2人のケンカ。
…もう、高校生なんだから。



「あいつらは放っておいて、教室行こう」

「う、うん…」



あたしと颯人は2人を置いて教室に向かった。
もう、あそこまでケンカになると誰も止めることは出来ない。
後は、2人で解決してもらうしかない。



「颯人、大人だね」

「もう、俺らは大人だよ」

「高校生だもんね」



それでも、あたし自身まだ子供のようでならない。
颯人だけ、大人になったように見える。
やっぱり、頭が良いからかな…?