「・・・・・・」


そうは言ったものの。
入り口のドアに触れた右手がなかなか動いてくれない。


とりあえずトイレに・・・・・・



「ん?君何やってんの?」


「っ!!」


「入んないの?教室」


「え、と・・・・・・」


どうしよう。
唐突過ぎて言葉が出てこない。

まさか教室に入る前に声をかけられるとは思っていなかった。


しかも男の人に。



着崩した制服。

金髪に染めた髪の毛。

耳にあけたピアス。


なんだか一緒にいるだけで注目を浴びてしまいそうな
存在感のある人だ。



「君もB組?」


「え・・・う、うん」


「俺もB組。
ここであってるよね?入ろうよ」


「・・・あ!」


そのまま男の人はズカズカと教室へ入っていった。

あたしも後を追う。