自宅から学校までの道のりは、さほど遠くはない。
あたしや爽の家から徒歩で充分辿り着ける距離だ。

2人肩を並べて歩き出す。



「そういや鈴、髪切ったんだね」


「あ、わかる?春休み中にイメチェンしたの!
結構気に入ってるんだー。このボブヘアー」


「うん、似合ってるよ。
鈴はどの髪型しても似合うけど、それが1番しっくりくる」



爽に言われホッとする。


遅れてまでしてきた髪型が似合ってなかったらショックだ。
アイロンで毛先を内巻きにし 前髪をピンで止めただけだが、今までのあたしとはかなり印象が違うと思う。


「そういうの、今 流行ってるの?」


「え?」


「いや 鈴っていつもファッション雑誌とか読んでるし
そういう髪型、流行ってたりするのかなって」


「あ〜 どうだろ?でもこのピン止めとかはこの前雑誌に載ってたよ」


「へえ・・・・・そういうの好きなの?鈴は」


「うん!可愛くない?このピン」


爽は そうだね、と微笑みながら頷いた。