「……そうだね」


「……」


「俺、携帯変えるから、もう掛けてこないでね」


「言われなくても掛けません!!」



悔しくて、

すごく悔しくて、

私はそう怒鳴ると一方的に電話を切った。


多分、もう二度と話せない。


最後の電話だったのに……。



ポツンポツンって涙があふれて、この先のことを考えることなんて、とてもじゃないけどできない……。


これはもう、本当にシュウのことを忘れなきゃいけない。


こんなとき、腹が立つくらい楽しかったことしか思い出せないのは何故なんだろう……。


気付いたら夕方になっていて、三上さんが帰ってきた。



「ただいま」


「お帰りなさい……」



私、なにやってんだろう?

ふと思う。



「又いっぱい泣いたな。それだけ泣いたら腹減っただろ?飯にする?」


「お腹は……空いてないです……」


「じゃあ、パスタ作るから一緒に食べよう。入らない分は俺が食べるから」



三上さんはそう言ってパスタを茹で、レトルトのミートソースを温めると、手際よくお皿に盛ってテーブルの上に置く。



「ちゃんと食べないと又痩せるぞ」



私は少し笑ってみせ、パスタを口に運んだ。