「で、どうしようか?」
そう言ってヒデキは少しずつ近づいてきて、私はヒデキと同じように後ろに下がる。
怖い……。
シュウはなにしてるの?
早く帰ってきてよ!!
又一歩後ろに下がったとき、よろけてお尻をついた。
もうダメだ……。
そう思ったとき、ヒデキは携帯をズボンのポケットから取り出し、電話を掛ける。
何処に掛けるの?
私はどうなるの……?
ヒデキは私を横目で見て、少し笑うと喋り始めた。
「もしもし、兄さん?何時頃帰るの?俺、今日は帰ることになったんだけど」
シュウと話してる……?
「うん。……後三十分くらい?……大丈夫だよ。仲良く話してるから」
やっぱりシュウだ!
シュウに届いて!!
私はそう思い大きな声で叫んだ。
「シュウー!!助けて!!!」
するとヒデキは携帯をすぐ切り、私のところにすごい勢いで来ると、思い切り頬っぺたを殴って言った。
「舐めたことするんじゃねぇよ!!」
「……」
すると私の携帯が鳴り、急いで取ろうとすると、先にヒデキが取り、携帯を開いて見せる。
―着信 シュウ
シュウ……。
私、どうすればいいの……?