でも、シュウは昔から変わらない。
「良かったね」
「…うん」
声が小さくなった私にシュウは言う。
「どうしたの?何かあった?」
「…仕事決まると一緒に住む迄時間かかるよ?シュウは寂しくないの?」
「倫子さんが決めた事だし、寂しくないよ」
「そっか…」
「うん。決まったら教えて」
「…うん。じゃあ寝るね」
電話を切ると又不安になる。
仕事…ずっと決まらなきゃいいのに。
そんな事さえ考える。
でも2日後、松本建設に就職が決まった。
父親のコネで入った会社は、初日から居心地が悪い。
「神田倫子です。宜しくお願いします」
「あー…。神田さんね」
「あの、何したらいいですか?」
「これ、コピーして。後、これ入力しといて」
「…はい」
薄汚れた事務所で言われた通りに仕事をする。
これは、どれに入力するんだろ?
「あの、これは…」
「神田さんなら言わなくても分かるでしょ?優秀なんだから」
「……」
パソコンの中を必死に探して、入力をし終わると、19時を回っていた。
疲れ果てて家に帰る。