そのとき、部屋のドアが開く音が聞こえた。


……えっ?!


慌ててシュウから離れてドアの方を見ると、ヒデキがニコニコしながら立っている。



「ちょっと!ノックくらいしなさいよね?!」


「気にしないでいいよ。それくらい普通でしょ?」


「……」



気にしないでいいって……。

アンタが気にしなさいよ。



「なに?」


「お腹空かないかなと思って」


「うん。じゃあご飯の準備するよ」


「兄さんが?」


「うん」



そう言ってシュウはキッチンに向かい、私は片付けを続ける。


ヒデキはシュウの傍に行き、楽しそうに話してた。



ヒデキは何者なんだろう……?


シュウの弟?


私に嫉妬してあんな態度を取ったの?


なにか違う気がする。


考えても答えは見付かるはずはなくて……。


シュウがヒデキを調べてる間、様子を見るしかないよね。


片付けの殆どが終わり、キッチンに行くと料理もほぼできていて、嬉しそうにヒデキが小皿を並べてた。


料理ができあがり、テーブルの上にビーフシチューとサラダとライスが置かれ、席に座ると三人の初めての食事が始まる。



「いただきまーす」


「いただきます」



ビーフシチューを口に入れると、相変わらずの美味しさにため息がでた。