「やっぱりダメだよね?いきなり来ても弟って信じてもらえる訳ないよな」



ヒデキは少し寂しそうにうつむく。



「いいよ」


「えっ?」


「そっちの部屋使っていいから」


「ありがとう、兄さん」


「……」



ヒデキの嬉しそうな顔もなんだか……。


暫く我慢するしかないよね?


ここはシュウが借りてる所だし……。



「倫子さん、とりあえず荷物片付けよ?」


「うん」



私とシュウで荷物を寝室に持っていき、二人で片付ける。


せっかく久しぶりの同棲なのにな……。


「倫子さん、家に電話した方がいいんじゃない?」


「あっ、うん」



私はすぐに実家に電話をし、無事東京に着いたことを伝え、片付けを続ける。



「ねぇ、ヒデキって仕事してるのかな?」


「さぁ?」



シュウがいない間、ふたりになるのはちょっと怖い気がする……。


そんな私の気持ちを見透かしたようにシュウが言った。



「仕事行くときは倫子さんも一緒に出るようにして」


「うん!」


「倫子さんにはいろいろ覚えてもらわないといけないしね」


「私、頑張るね!」



そう言って笑うとシュウはソッとキスしてきた。