彼は、いつも通りに、バスに乗っていた。
私は、いつも彼に話掛けたかった…。でも、私には、それが出来ない…。
そう、それが私、黒崎紅羽と彼、柊真理の出会いだった……。
私は、柊君の事をいい人だと思う。声が出ない私は、いつも人から避けられ、友達がいなかった、でも彼はそんな事を気にする様子もなく、立っていた私を、自分が立っでも席を譲ってくれた……。
彼は私の事なんか、もう忘れているだろうけど、私はそんな彼と、話がしてみたかった……。
でも、実際に自分の声を出すと…ヒューヒューって言う音しか出なくてそこで、あぁ、自分は彼に、話し掛けることも出来ないのか……。と自分をとても責めるだろうけど、私は、諦めないで声を出すようにしたい……。