「……直昭さんの声を聞くだけで、……、
…私は頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうんです。」





寒くないのに自分の体を抱く。


「………。」


ギシッと音がして彼が布団の上に座ったのが
分かった。

あぐらをかいたのが見えた。
少しだけ離れたとこに座ったのだろう。



「…良かった。
おれが嫌いになったんじゃなくて。」




「違います!嫌いになったんじゃありません……。」





「じゃあ、もっと好きになったって事ですか?」


「……」





こくりと頷いた。



「………。くそ、」



「え………。」


直昭さんの手はゆっくり私の頬に触れた。



「………。」




触れた手は冷たくて顎をくいっと少し上げられ、
直昭さんと目を合わせられた。



心臓が早鐘を打つみたいに響く。
とまらない………。




「あまり、見ないで……下さい。」






「…………嫌。かわいい。」