部屋は暗く中が見えなかった。
誰もいないのか。
………シャッ!
「すみませ…あ……、」
「……ん、え、あ、綾瀬さん!すみません……
すみません!気がつかなくて…」
カーテンを開けた音だった。
もちろん藤ノ宮さんが。
シャッと窓も開けたのでカーテンレースが
藤ノ宮さんの髪にかかっている。
茜色の空が部屋を照らした。
まるで………
……。
「綾瀬さん……?」
イタズラかわからないが、
藤ノ宮さんの髪には丸い花冠が乗っていた。
しかもピンクの薔薇。
「……頭のってますよ?」
頭を指差しながら俺は苦笑した。