「そういえば、事故に遭ってから海斗から部活の話することなかったもんね。気使ってくれてたんでしょ?」


「いや、別に…」

「ありがとう。でも、もう大丈夫だから」


「本当か?」


「大丈夫だよ」

「……。」

「見たいな〜、海斗が出るかもしれないとしたら。デビュー戦は見逃しちゃったからさ」

「…別に来なくていーよ」
「え?」

「出るかわからないのに、無理して来られても困る。それよりだったら、今は足治すことに専念して、来年、再来年の大会とか試合に来てほしい…。」


「…うん、だね。そうする!」

「おう」

「んでも、早く学校に行きたいな〜って。ほとんど行ってないから、勉強もたぶん全然わからないや…てか、忘れられてないかな」

「言うと思った」

「え?」

「これ」


海斗はそう言うと、エナメルバッグから大量の封筒を出した。


「え…何これ」

「見ればわかるだろ、手紙」

「は?こんなにたくさん…誰が………。っもしかして…」

「見てみ?」




吉田塁
風間芽衣
有原優子
小玉京 ……

あまり学校に行かないまま事故に遭ったから、名前はうろ覚えだけど、確かに同じクラスの子達の名前がそこに書かれていた。


「それだけじゃねーぞ」

「え?」

「これも」


海斗は今度は学校用のカバンから封筒を出した。

「前田…陸、北…林優也…?誰、これ?」

「野球部の1年」

「え!?私ほとんど面識ないのに!」

「知ってる。でも、これから同じクラスになるかもしれないだろ」

「んでも、何で…」