☆side綾乃☆
「綾乃ちゃーん!」
結菜が大きく手を振る。
その横には…
「よっ」
にっと笑って軽く手をあげる諒吾。
2人の笑顔に胸がきゅっと鳴った。
「綾乃ちゃん、みてよこの諒ちゃんのかばん!
筆箱と英語のノート1冊しか入ってないんだよ?!」
「いーじゃんほっとけ」
もー置き勉しすぎ!と結菜が頬を膨らませ、諒吾はそんな結菜を見てふっと笑う。
可愛い可愛い結菜。
色素のうすい茶髪の髪はゆるく巻いたようなくせ毛でやわらかい。
1番のチャームポイントのネコ目。
きれいな二重で、メイクはうすいのに、つけまなしでこの大きい目はずるい。
そしてきゃしゃで今にも折れてしまいそうな腰。
こんなに細い脚をしているのに学年で1番足が速くて運動全般なんでもこなしてしまうなんて、
頑張って足腰を鍛えている運動部の女の子は悔しいに違いない。