「猫がいなくなっていた?!」

体育館。親友のひとり、綾乃ちゃんが大声を出した。



「うん…もしかして誰かに拾われたのかな…それとも考えたくないけど車とかにひかれて…!」



きゃあああ~…!



ずるずると座り込んでしまうと上から綾乃ちゃんの冷ややかな声が降ってくる。



「何をそんな落ち込んでるのかと思えば…捨て猫ごときで悩むなんて、あんたどんな平和な生活よ!悩みないの?!」



「ちょっ、あたしにだって悩みぐらい…!」


抗議しようと口を開けた時、

 

「結菜ちゃあん…!もうくるみだめ、交代してぇ!!」



はあはあと息を切らせたもうひとりの親友、くるみが、へろへろとした足取りでやってきた。


お、あたしの出番きちゃったかんじ?!