☆side龍☆
最近ずっと結菜に避けられている。
話しかけようにも無視されるし、放課後はさっさと友達と帰ってしまうし…
まあ我慢できなかった俺が120パー悪いんだけどさ。
だからこうしてやっとやってきた
”結菜が日直”というチャンスをつかんで
逃げられないよう、
そして俺もふたりっきりで理性を保てなくならないよう、
こうして下駄箱で結菜を待っているわけなのだが…
「でもかわいいよりかっこいいって言われてーな俺」
「言ったげるよっ、いよっ諒ちゃんかっこい~!」
突然向こうから聞こえてきたそんな会話。
なんつー会話してんだ。
結菜を待ってるだけなのにバカップルと鉢合わせなんてごめんだ、と、背を預けていた下駄箱から1歩ふみ出したとき。
「ねっ、部活でこんな鍛えてんだよね?!
ちょっと触ってみてもいい?」
え、今の声、結菜…?!