「友だちになったことだし!
あたしのことは結菜って呼んでね!」
「…結菜」
ちょっと照れたように長瀬くんがそう言ってくれる。
少し恥ずかしくなった雰囲気をかきけすようにあたしは言った。
「長瀬くんは下の名前、諒吾だよね?!」
「あ、うん…知ってくれてたんだ」
長瀬くんはまたちょっと照れているようだ。
…やっぱり、長瀬くんってちょっとかわいい。
「そーだ!じゃあ諒ちゃんって呼んでいい?」
「は、え、諒ちゃん?!」
うん!と笑顔でうなずく。
「何て言うかさ、長瀬くんって見た目と違ってちょっとかわいいっていうかさ…ってな、なに?!」
あたしの言葉に長瀬くんは肩を震わせて笑っていた。
「そんなこと言われたの、初めてだ…っ」
笑いすぎて出たらしい涙をすくいつつ長瀬くんが言う。
「ぜってーからかわれる…」
「え、だ、だめ?」
「や、いいよ、結菜なら」
そう言って長瀬く…じゃなくて諒ちゃんは
にっこりと笑った。