「……は?」


マヌケな声が出てしまった。



玄野くんはあたしのほうに身を乗り出す。



「え、く、玄野くん?!」
 

まさか本気で言ってるんじゃ…?!



「結菜もしてほしそうな顔してんじゃん。
何でもいいから今すぐしてって顔」



「そんな顔してないっ…!」

 

慌てるあたしと正反対に玄野くんはいたって冷静で真剣。


玄野くんのきれいな顔が近づいてくる。



え、ちょ、ほんとに?!



わ、まつ毛長い…鼻も高い…



ってそんな場合じゃなくて…!



「く、玄野く……っ」




ぎゅっと目をつむって玄野くんの吐息が唇にかかって…



パチン





「………へ…?」