恐る恐る振り返ると、龍くんがものすごい不機嫌な顔をして男の人たちを睨みつけていた。
「この子、俺のものなんだけど?」
お、俺のもの…!
その言葉にポッと頬が熱くなった。
「んだよ彼氏もちかよ」
「いこーぜ」
去っていく男の人たちをぽけっと見つめていると…
「ばか。なにナンパされてんだ」
龍くんがあたしの手をとり、すたすたと歩き出した。
「は、速いよっ!待って!」
まるで子どもが手を引かれてるみたいだ。
「何でそこまで不機嫌になるの?!何もされてないんだよあたし!」
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