「もおお...だめっ」


「だめなの?」


甘くて。

痺れて。


瞳が潤んできてとろけそう。



「...っ、かわいすぎんだけど」


あたしの耳から手を離し、龍くんが手の甲で口を抑える。


かと思えば、また少し意地悪な顔になって....


「もっと可愛い顔見せて?結菜が動けなくなるぐらいのキス、していい?」



あたしの両手を優しく抑えて、顔を覗き込んでくる。


す、すぐそんな恥ずかしいこと...!



「ばかぁっ...龍くんなんてもう大きらい...」



「大きらい?大好きの間違いだろ?」


そ、そう、なんだけどさ…


でもでも!


「そんな意地悪ばっか言うなんてもう大っきらいだもん!」


恥ずかしいってばほんと...!



龍くんの熱っぽい視線からふい、と顔を背けると龍くんはあたしの体をゆっくりと起こし、真正面に座った。


「大好きなやつに大嫌いって言われるの嫌なんだけど。今度大嫌いっつったら動けなくなるまでキスするからな」 


ぷにっと頬を挟まれる。


「ぷーーー」


あたしも、そのままその龍くんの顔をじっと見つめる。