「だから……この先は、別の恋をする」



私にとって、諒吾は恋人になる縁がなかったんだ。



「何年も経って、お互い恋人ができて、その後で、あの時じつはね~って笑い話として伝えたいなって…」



人生は長い。



きっと、これから諒吾よりもっと素敵な人に出会えるはず。



私はそう信じることにしたの…




「そっか!」



くるみは笑顔で私を見上げた。




「綾乃ちゃんは、強いね」



強い、か…



「そう見えるだけよ。本当は弱いもの」



結菜に嫉妬もしたし、諒吾を傷つけもしたし。