苦しそうな結菜。
できることなら俺が代わってやりたい…。
「龍、くん…」
結菜がゆっくりと体を起こした。
「おい、寝てろよ」
俺の言葉に小さく頭を横にふって…
「あのね……ぎゅってして…」
……は?
俺は自分の耳を疑った。
いや、でも結菜は確かにそう言った…よな…?
恐る恐る結菜に視線を移して、固まってしまった。
「龍くん……だ…め…?」
熱のせいで、瞳は潤み、顔も真っ赤で……
まずい。非常にまずい。
そんな顔で俺を見るな。名前を呼ぶな。そういうことを言うな。
「……っ!」
反射的に俺は、結菜の手を振り払うように離した。