龍くんは優しくあたしを座席に座らせてくれたけれど、こちらを見ることのないままあたしの隣に座った。
「ねえってば!どうしてそんな態度…」
「怒ってるからに決まってんだろ!!」
龍くんはあたしをさえぎって、そんな大きな声を出した。
呆然とするあたしにさらに龍くんは言う。
「今すぐにでもとめてやりたかったよ!
いくら負けず嫌いだからってなぁ!何で自分の体の心配もせずに、のこのこ走りやがんだこのばか!」
はぁぁあ?!何それ?!
「なんでそんな言い方すんのよ!みんなに迷惑かけてひとり帰るなんて、あたしは…」
「違う!それが迷惑なんだよ!」