☆side 結菜☆


「あ、あの…っ」


「病院行く。車は森川が用意してる。お前の制服とか荷物も、もうもらってある」


「え?!あ、ありがとう。でも…えっとその…」


「何」



なんで優しくしてくれるの...?



あたし、嫌われてたんじゃなかった...?



「ひ、ひとりで歩ける!おろして!」


しどろもどろにそう言うと、龍くんはぴたりと立ち止まった。


「そ?」


ゆっくりとおろされた瞬間、


「痛っ…」


あたしはよろめいてしまった。



「危ない!」



龍くんが慌てて支えてくれたので、こけずにすむ。


「……はぁ…」


ううう。



龍くんの溜息が痛いです…。