くるみが走っていったその数分後、ついにチャイムが鳴った。


「……玄野くん…」



お願い、来て……



「玄野くん……」


そう、つぶやいたときだ。
あたしが何度か乗った、大きな黒い車がやってきたのは。



「く、玄野くん……?!」



っ…!来てくれた…?!


その車は穏やかにあたしの前で止まり、玄野くんが出てきた。



久しぶりの玄野くんだぁ……


姿を見ただけでなんだか鼻がつんとした。