「え……」


「謝らなきゃいけないからとかそんな理由はなし。ただ、会いたいか聞いてるの」


玄野くんに……会いたいか…


「……会いたく…ない」


「え?」


あたしの言葉が意外だったのか、綾乃ちゃんとくるみは顔を見合わせた。


「会いたくないの?」


「……うん」


あたしは机の下でこぶしを握った。


「ほんとはあたし……玄野くんの顔を見たくないんだ…。
学校来なかったのはあたしに会いたくないからだと思う。でもね、悲しい反面、会わなくてほっとしてた……」


「結菜……」


「謝らなきゃいけないってのはわかってる。でも朝学校へきて教室入ったとき、
からっぽの玄野くんの机を見たらなぜかほっとしてた。
よかったって…今日1日、会わなくてすむって……」