「あ、く、玄野くん見てっ!外っ!人がちっちゃくなってくよ?!ほらほらほら!」
ただいまあたしたちがいるのは観覧車の中。
あたしはこれでもかっていうぐらいベラベラと玄野くんに話しかける。
「あれ!最初に乗ったジェットコースターだよ!ひゃ~こうやってみるとめっちゃ怖そうだね!」
「……」
「ね、ねえ!あれ玄野くんちじゃない?!あのでっかいの!」
「……見えるわけねーだろ」
ううう。
もちろんあの玄野くんの言葉さ、信じてないわけじゃないけどさ。
でも前科が腐るほどあるし、観覧車っていうこの狭い密室、何か起こっても不思議じゃないというか……
だからこうして変な雰囲気にならないようしゃべりまくってるわけで……
「あ、えと。た、高くなってきたよね~あは、あはは…」
「……結菜」