その必死な様子にやっぱりこらえきれず笑い出してしまう。
「あははははっ!じゃあ頼もうかな」
きっと、かっこよく取ってやるとか思ってたんだろうな…
なんだかすごくあったかい気持ちになってくる。
「あ…あれがいいな!」
指さしたのはちっちゃな猫のぬいぐるみ。
ちょっとさくらに似てる…。
そんなあたしの気を知って知らずか、玄野くんはにっと笑った。
「任せろ」
おもちゃの銃を構えた玄野くんがしっかりと猫に焦点を定めている。
───パンッ
玉は見事に命中した。
「わーっ!やったあ玄野くん!!」
喜ぶあたしに玄野くんはぬいぐるみを差し出した。
「やる」
「ありがとう」
お礼を言って猫をぎゅっと抱きしめる。