「結菜、怖くねーか?なんなら腕まわしてもいいんだぞ」


不気味な音が聞こえる暗いお化け屋敷を進む中、玄野くんがそう言ってきた。


あー…なるほどね、それが狙いか…。

ひとり納得したとき

「うらめしや~…」

髪が長くて全身血まみれの幽霊さんが現れた。


「っ……」

玄野くんがぎゅっとあたしの手を握る。


「なによ、怖いの?」

「ち、ちげーよいきなりで驚いただけだ!」

そうですか…

「期待を裏切るようで悪いけど、あたしこんなん平気だからね」