「……結菜」
そのとき玄野くんが優しくあたしの名前を呼んだ。
「キスもしねーし好きなんて言わなくていいから手はつながせろ」
突然の真剣な声に玄野くんを見上げる。
「結菜に触れていたい」
なっ……!
なになになになに?!!
玄野くんはじっとあたしを見つめている。
やばい…どうしよう。
何だかドキドキがとまらない。
あたし心拍数上昇で死ぬんじゃ…っ
「う、うん…」
思わず口に出した言葉に自分でぎょっとする。
……うん?!!
「あっ、いや今のはちがくてっ…」
「やった」
玄野くんはぱっと顔を綻ばせた。
その笑顔に、やっぱりいやなんて言い出すことはできなくて…
「ありがとう、結菜」
なぜだか胸がきゅうっとした。