☆side 龍☆
夏が近づいた気配を感じさせる、カラッと晴れた土曜日。
待ち合わせは9時。
遊園地デートの誘いに、結菜は意外とすんなりOKした。
俺のことはたいたじゃん、とささやくと悪いと思っていたのか
「う……じゃあ…」
と、何も言わなくなってしまったのだ。
あ~!早くこねーかなぁ。
駅の改札付近でそわそわと結菜を待っていると……
「おひとりですかぁ~?!一緒に遊ぼーよっ」
「やばい超イケメン~!読モとかしてんの?」
20代前半ぐらいのギャル風な女が2人、声をかけてきた。
気安く話しかけんじゃねぇ!とキレそうになるところをぐっとこらえる。
そうだ、結菜に
″女の子に声荒げちゃだめだからね?″と
釘を刺されたのだ。
「や、人を待ってるんで……」
穏便に穏便に…。
「いいじゃんいいじゃーん!ねぇ?」
「そうだよぉ~」
だが、引こうとしない女たち。
「ちょっ…」
胸を擦り当てるように腕をつかまれた。