「ホワイトデーだろ…。
お返し…俺のも入ってるけど。」


「お返しって…私.隼人に
チョコあげてないよ!!」


「お前は…チョコなんかよりも
もっと.もっと大事なもん俺に
くれたじゃん…。」


そう言ってまたギュッ
ってしてくれたんだ。


隼人の手が後ろから伸びてきて
箱から小さい方のリングを手に
取った。


「内側見てみて。」


中にはHAYATOって名前が
彫ってあった。


「じゃあ隼人の方には
私の名前が入ってるの?」


「そ。俺のにはお前の
名前が入ってる。」


隼人が私の左手の薬指に
リングをはめる。


「これからもずっとお前は
俺のだからな。」


私の耳元で囁いてくれる…。


「俺のはお前がはめて…。」


私は震える手で隼人が
出した左の薬指にはめる。


涙が自分のスカートの上に
ポタポタと落ちた。