「ほらっ…。」


沢村君が私に背中を向ける。


「えっ…。」


「歩けねぇだろ。俺が下まで
連れてってやるから…。」


大きくて広い背中…。


大好きな人の背中…。


「い.いいよ!!重いし!!」


「重くねぇよ!!早くしろ!!」


沢村君…耳までまっ赤だ。


「沢村!!綾瀬!!」


先生が走ってこっちに
向かって来た。


「綾瀬!!大丈夫か?すまん!!
俺がお前に頼んだりしなかったら
こんな事にならなかったのに!!」


「違うよ!!私がこけちやったから
沢村君にも迷惑掛けちやって…
先生にも心配掛けてごめん…。」