-トン トン トン-


沢村君が上がってくる
足音が聞こえる。


私は急いでプリクラを
アルバムの中に戻す。


何事も無かったように
一度見た卒業アルバム
をまた開く。


-ガチャ-


「……悪い。待たせたな。」


まだ渇ききっていない髪を
タオルで拭きながら沢村君
が言う。


顔が見れないよ…。


「うぅん…早かったね。
アルバムありがとう…。
ほんと旬君と仲がいいね。
旬君とのツーショツト写真
ばっかじゃん!!」


声が震える…。


「あいつとは幼稚園の頃から
一緒だから腐れ縁ってやつ
じゃねぇの…。」


「………。」


「お前どうかした?
なんか変だけど…。」


「なんでも無いよ。早く行こ!!
梨子達が待ってるよ!!」


「……。おぉ…。」