カサカサと、葉が擦れる音がする。
あ……これ、きっと公園の木の葉の音だ。

でも、目が開かないよ……
私、駅に着いたはずなのに、なんでさっきの公園にいるの?



“優しいやつだよ”


不意に、陽の声が頭に響いた。


“きっと、兄貴の代用品だと思ってた”

今度は裕くんの声が響く。


“自分に何かされても怒らない”



“もし、兄貴のほうが振られたの知ってたら付き合わなかった”


裕くん、嫌…っ。
嫌だ……置いてかないで。



“でも、自分がどんなに不利になっても、大事なやつが傷ついたら助けるんだ”