脱走犬らしき首輪が着いた犬ががはっはっと、息を荒げながら、私たちの横を走り抜けて行った。


トラックがその後ろから走ってきて、クラクションを鳴らした。


「裕くんは……っ。私の外見が良かった?だって、そうじゃなかったら、知らない人からの告白、オッケーしないよね?」


逆ギレだってことくらい、わかってる。

でも、裕くんがなんだか、裕くんの言葉は私を連れて歩きたかったって言ってるようで。

でも!だって!

そんな気持ちが止まらない。

違う、こんなことが言いたい訳じゃない。

「そーだよ。」


「……さいってー。」

「お互いさまでしょ?」


裕くんは俯く私を置いて、駅に向かって歩き出した。