去っていく背中を見ながら、私は立ち尽くすことしか出来なかった。


ナンパから助けてくれた日から、あなたのその、真っ直ぐさをいつも見てきたよ。



それに比べて、私はなんて……ズルい。

汚い。



私、裕くんに、嘘、ついてる。


きっと、陽はオンナノコの気持ちとか、察しがいいほうだから。


もし、裕くんと、この先喧嘩する日が来て、私が泣いてたら、下心を隠して私に近づくのは簡単だっただろう。


堂々宣言したら、警戒されるだけなのに。