陽が俯いて、前髪をガシガシとかき回した。

陽の頬をつたった雫は重力に従って、落ちて、公園の地面に吸い込まれた。


わりぃ、と呻くように陽は言った。

「なぁ、新しい彼氏って裕なのか?」


その声は少し、震えていて。

あんなに、優しかった元カレにこんな思いさせて、彼氏には元カレから振られたって嘘ついて。


私、馬鹿だ。
最低だ……


「そ……だよ。」

違うよ、って言えたらどんなに陽を楽にさせてあげられるだろう…

でも、

もし、一週間前に戻れたとしても、私は陽と別れなかった?


多分、それは違う。

だから、もう、嘘、つかない。