「今日は春香ちゃんたちの交際1年目の日だねぇ。」

「言わなくていいよぉ…恥ずかしいし~。」

ふと耳に入った会話に眉をひそめた私。

この時期…クリスマスになると急にこの手の話が多くなる。
この話になると必ず周りは私にこう言う。

「琴葉は何かないの?」

だから嫌なんだよ。

ないわけじゃないんだ。

だけど…

聞いても得しないしきっと雰囲気も悪くなるだけだろう。

だから、私はこう言ってしまうんだ。

「私は何もないよー。皆の話聞いてるだけで幸せだもん。」

そんなこと微塵も思ってないのに。

いつまで私は自分に嘘を吐き続けるのだろう。
いつまで猫を被り続けるのだろう。
いつまで偽りの笑顔で人を騙し続けるのだろう。

あぁ、あの人もそうだった。
あの人も私を騙してそのまま…

いつか誰かに本当のことを言いたかった。

私の初めての恋…そして初めての失恋。
私が小学生の頃の話。