そんな気持ちを抱えてそろそろ半年。


最初に築いてしまったスタイルから

脱却出来ないまま

素直になれないまま

ここまできてしまったけど、

もしかしてそれでも逢坂は……!


移動教室のとき、

ふと前を歩いていた彼が視界に入る。

……というか、目で追っちゃうんだいつも。


いつもだったら『かっこいいなあ』なんて思って
それだけなんだけど……。


「っっ!」


目、合っちゃった……!


これはそういうことなのかな?

もしかして

今日放課後なんか言われたり?

それか夜に連絡入ったり!?


ああー、どうしよう、

なにこれ、嬉しい!


そうだ、瑠維に、

瑠維に相談もとい報告したい!!



――「私、ちょっと隣のクラス行ってくる!」

4時間目が終わったとすぐに

隣のクラスへ!


……だけど、クラスの友達と

どこかへ行ってしまったらしく、

姿が見当たらない。


まあ、放課後とかでもいいか!

なんて思って自分のクラスへ引き返す。


あっ、でもでも、

放課後までにもし逢坂に呼ばれちゃったりしたら、

瑠維に報告する内容は

『付き合うことになったんだ』

とかだったりしてー!!


なんてひとりで心中興奮しながら。


私が逢坂と話してて、

素直にはなれないけど
それでも楽しいように、

逢坂も私に対して
そう思ってくれてるのかな。


文化祭準備のとき、

『そういうところ、良いと思う』って。

もしかして、
逢坂はあの時から想ってくれたたのかな。


なんて、きっとこれから聞けるだろう

彼の感情に思いを馳せる。


もし、そうだとしたら私本当に、嬉しい――


「あのっ、逢坂くんっっ!

このチョコ受け取ってください!」


ん……?