志津香や真帆、杏奈も

自分の席に向かう中、


「まあ義理かあー」

なんて私と同じ方向の席に
向かう逢坂が言った。


「何よ、不満?

ってか、どうせ私から本命なんてもらっても
嬉しくないでしょうに」


さっきの緊張を引きずってるのもあり、

無事に渡せた変な気の緩みもあり、

思わず余計なことを口走る。


もう、これで素直に『うん』なんていわれたらどうするの!

私のバカぁ!!


しまったと思いながら

恐る恐る逢坂の反応を見ると――


「……いやあ?

好きな子から本命もらったら死ぬほど嬉しいけど?」


…………へっ?


今、何て?


「……えっ、あっ、それって――」

言葉に詰まりながらも必死に声を出そうとして、


「はいー、席つくー!」

担任の声が届いた。


その後は有無を言わさずHR。


でも私はHRの内容なんて
全く頭に入ってこなくて。


だって、さっき逢坂、何て言った!?


『私からの本命は嬉しくないだろう』

って聞いたら

『好きな子から本命もらった死ぬほど嬉しい』って。


――まさか、まさか!!