私、本当にバカだ……。
勝手に言葉勘違いして、
勝手に舞い上がって。
うわぁ、痛いよ、恥ずかしいよ。
居た堪れなさに眉間にしわがよった。
力強く拳を握った。
だって、そうでもしないと……
泣いちゃいそうなんだもん、今。
勘違いした事が恥ずかしくて、
そして
逢坂の好きな子は私じゃないとわかって。
「お、おい……江田?」
心配そうな表情の逢坂が
私の顔を覗きこんだ。
やめてっ!!
こんな情けない表情は見られたくなくて
咄嗟に俯ける。
だけど逢坂の両手が私の頬を優しく包み、
彼のほうへ向かせた。
真剣に、何があったか心配してくれているんだ。
逢坂は優しいから。
「何があった?」
耳元にしびれて届いたその声に、
心配そうに揺らぐその瞳に、
ああ、なんでかな、
なんでこういう時だけ
「……ぁ、朝の言葉、
あれ、どういう意味、だったっ?」
素直になっちゃうんだろう。