二時間の研修という名の講義は
無事に終わり30分の休憩タイムに入った。


「のど乾いたよね
ロビーに行こうか」


またぞろぞろと移動していると



「そこの寝てたやつ!ちょっと来い!」


げっ・・・。


「ごめん行ってて
後で追いかけるから」


「いいの?」


そう言いながら遠慮がちに
みんな下へ降りて行った。


目の前には・・・
あの日を思い出すような
仁王立ちしてるヤツが居る。


「あの・・・」


「すごい偶然にも程があるよな!
ハハハ」


ヤツは笑うがあたしは笑ってはいられない。


「あ・・・はい・・・」


「今年の新人の履歴書の写真見て
びっくりしたよ
まさか同じ会社になるとかさ」


事前に知ってたんだ
だからあの時驚いた顔見せず
謎の微笑みを見せたんだ。


ヤツは一歩一歩近づいてくる
あたしは一歩一歩下がる
まるであの日の夜のように・・・。