「守山さん、これお願いできる?」

「分かりました!」


大学1年の冬。
やっと始めた、遅すぎるバイト。

選んだのは、オシャレなカフェ。



「終わったらそこに置いといて大丈夫だから」

「了解です」

「守山さーーん!」

「はいぃ!!!……あっ!!!」




ガシャーン、と音。




「…… ぁ」


やばい、 やってしまった。


「大丈夫!?手伝…」

「いえっ!全然大丈夫です!!!」


…もう、何やってんだ自分。

いそいそと床に落ちたスプーンを拾う。







「ぷっ、」


そんな声が上から聞こえて。



見上げれば、



こっちを見て、にやっと笑う黒髪の奴。



いや、笑ってないで手伝えよ…。


「ほんとドジだな」


……はぁ?