「私は」
林檎ちゃんのこもった声が聞こえた。僕の思考が停止した。
「私は、あんたが考えてること、なんでも判ってるつもりだった。あんたは私がいないとほんとに何も出来ないし、馬鹿だし」
林檎ちゃんは鼻声なんかじゃなかった。泣いてはいないみたいだ。