「あー、実はね、ここの高校かなり荒れてるんだ。
喧嘩とか当たり前にあるし。
だから、喧嘩できるなら安心だなぁと思って」
それを聞いて、あ。なるほど。と納得する。
確かに喧嘩とか頻繁に起きそう。
でも、じゃあ、
『喧嘩できない人とかどうするの?』
この学校、不良が多いけど女子とかたくさんいた気がする。
あたしは疑問に思ってみたので聞いてみた。
「そっか、はるひちゃんは知らないよね」
『どうゆうこと?』
「この学校にいる女子、殆どがレディースに入ってるんだよ。
レディースに入ってる人は結構強いからあんまり問題ないんだよね。
それに、同盟組んでる所が"氷斬"だから男子もあんまり手が出せないって訳。
レディースじゃない人は、喧嘩が出来る人と出来ない人に分かれるけど…、出来ない人は守ってくれる男子とかが居るんじゃないかな?
じゃなきゃ、此処ではやってけないよ。」
此処ではやってけないよ。
その言葉で、此処がどんなに荒れてるのかがわかった気がした。
想像以上に此処は厄介みたい。
『そーなんだ』
そう言って、はぁ…っとため息をつき、あたしは窓の外に視線を移す
「はるひちゃん?」
けれどレッドボーイの声で、また隣に視線を向ける事になった。
『何?』
ちょっと不機嫌な声になってしまったけど許してくれ。
レッドボーイはそれに少し驚き焦ったような表情をしながら
「そう言えば、僕の名前言ってなかったよね?
僕は【二堂琉生ーニドウルイー】
よろしくね」
そう言って手を差し出してきた。
琉生、かぁ。
なーんか聞いたことあるような。
そう思ったけどなかなか思い出せないので、考えることをやめて
『琉生ね。よろしくー』
あたしはその手を握り軽く握手をする。
「僕を呼び捨てって、はるひちゃんやるね?」
握手をすると、何故か笑い出した琉生。
あははっとお腹を抱えてあたしを見る。
『ダメだった?』
「いや?むしろ大歓迎!」
『?』
琉生の意味不明な言葉で、あたしの頭にはハテナマークがふよふよと浮かぶ事になった。