「ねぇねぇ、どこ校から転校して来たの?」


『桜咲高校。実は退学になっちゃってさ。』



眼鏡に言われた席に座ると、早速隣から声を掛けられる。


隣を見れば、見事髪が真っ赤に染まっているレッドボーイ




思わず、


『ミニトマト…』


呟いてしまった。




「え?なんか言った?

てゆうか退学なんだね。なんで?」



ん?と首をかしげたレッドボーイ。
聞こえてなかったみたいで一安心。



だけど君、ズカズカ聞いてくるねぇ~。
何か探ってる様な顔。

別にいいけどさ?



でも、何かしら事情があったりする子だっている訳だし、あまり知りたがりにはならない方がいいよね。






なんて思ったり。





『前の学校で喧嘩したの。
そしたら相手に怪我させちゃって即退学。

元々相手が悪いのにさぁ』




あたしは耳下でツインテールしてる髪をクルクル弄りながらそう話す。




「うっわぁ…、はるひちゃんて以外と野蛮?」



ちょっとびっくりした顔になったレッドボーイは、何故かコソコソッと小さく喋った。


あたしはそれに首を傾げながらも、


『まぁ、それなりに?』

喧嘩ぐらいならできるよ。



そう言っておいた。




「えっ、そうなんだ!
じゃあ、まだ安心だね」



―ん?


よかった。とニコニコしながら何度も安心安心と呟くレッドボーイを、あたしは不思議に思いながら見る






『何がよかったの?』