ひとり残された病室。
外では雷が遠くで鳴り響いているけれど、雨は上がり、星空が見えてきた。
今夜は七夕。
織姫と彦星は会うことができたのだろうか?
過去の傷に触れ、
思いがけない初恋の成就、
そして、
誕生秘話を聞いた。
18年という年月を一気に振り返ることのできた1日。
生涯忘れることのない誕生日になるだろう。
ベッドサイドに置かれたバレーグッズが視界に入った。
バレーで受けた心の傷はバレーで治せ!
お兄ちゃんの言葉が何度もリフレインする。
出場か、否か……
わたしはどうすべきなのだろう。
「ケイくん……」
.